Thursday, April 06, 2017 11:07 AM

首相、乱用の懸念否定 テロ対策強調、野党反発

 犯罪を計画段階で処罰する「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ「テロ等準備罪」を新設する組織犯罪処罰法改正案は6日、衆院本会議で審議入りした。安倍晋三首相は「一般の人が処罰の対象にならないことをより明確にし、不安や懸念を払拭できた」と述べ、捜査機関による乱用の恐れを否定したが、野党は「誰もが犯罪集団の構成員となり得る」と追及した。今国会最大の対決法案を巡り、早期成立を目指す政府与党と廃案に追い込みたい野党の激しい論戦が始まった。

 首相は「東京五輪・パラリンピックの開催を控え、テロ対策に万全を期すことは開催国の責務。国内法整備のためには法案成立が不可欠だ」と法案の意義を強調。適用対象をテロリズム集団や暴力団などの組織的犯罪集団に限定しているとし「正当な活動をしている団体が対象になることはない」と説明した。

 民進党の逢坂誠二氏は「国民の恒常的な監視が前提の法律であり、誰もが犯罪集団の構成員となり得る共謀罪を創設すべきではない」と批判。首相は「捜査機関が国民の動静を監視するようになるという懸念は全く無用だ。実行準備行為が行われて初めて処罰の対象とし、内心を処罰するものではない」と反論した。(共同)