Monday, April 17, 2017 1:12 PM

難治血管炎のブレーキ特定 新薬開発に期待、大阪大

 全身の微小な血管に炎症が生じる「ANCA関連血管炎(AAV)」発症のブレーキ役となるタンパク質を特定したと、大阪大のチームが17日付の海外の学会誌電子版に発表した。新たな治療薬開発につながる可能性がある。

 AAVは顕微鏡的多発血管炎など、血中にANCAという抗体ができる難治性疾患の総称。白血球の一種である好中球が異常に活性化することが原因と考えられているが、詳細は不明。国内患者は約1万人とされ、発熱や体重減少のほか重い臓器障害を生じ、死に至ることもある。

 今回の研究では、AAV患者の血中では、通常は好中球の膜に存在する「セマフォリン4D」というタンパク質が酵素によって膜から切断されていることが判明。血中に切り出された濃度が高いほど、患者の重症度は高かった。(共同)