Tuesday, April 18, 2017 10:25 AM

日向灘でスロー地震調査 南海トラフ予測力底上げへ

 京都大と東京大の研究チームは、宮崎県沖の日向灘で、プレート(岩板)同士の境界面で観測されている「スロー地震」の本格的な調査を始めた。南海トラフ巨大地震の発生も想定されるこの海域で詳しいメカニズムを調べ、大地震との関連性を解明して予測する力を底上げするのが狙い。

 スロー地震は、プレート同士の境界面がゆっくりと滑った場合に生じるとされるが、人が体感できる強さの揺れは起こらない。東海-九州沖の海底に延びる溝「南海トラフ」では、日本列島側の「ユーラシアプレート」の下に、太平洋側の「フィリピン海プレート」が沈み込むプレート境界で発生しているという。

 今回の調査海域は、宮崎市の南東50〜150キロ付近。水圧計や高感度の地震計といった測定機器を、14地点の海底で3月に設置した。研究が遅れている比較的浅いプレート境界面のデータを、2020年まで集める予定だ。(共同)