Monday, April 24, 2017 10:34 AM

天下りで入札有利に 国交省の公共事業

 国土交通省からの天下りを受け入れた企業は、その後公共事業に入札した際に落札できる「勝率」が上昇していたとの研究結果を、近畿大などの研究チームが24日までにまとめた。国が公表している入札データなどを分析。調査した4年間の平均的な勝率は10.8%だったが、1人受け入れることで0.7ポイント上がる効果があったとしている。

 文部科学省の組織的な天下りが大きな問題となる中、官と民との不健全な癒着が生まれかねないことが数字で裏付けられた形だ。中林純・近畿大准教授は「天下りの受け入れが公平性に影響を与えている。市場経済に対する信頼を失わせる恐れがある」としている。

 研究は、中林准教授とカリフォルニア大バークリー校の川合慶助教授らが実施。国交省を退職した職員の再就職先と、同省が発注した建設工事の入札について、国がそれぞれ公表しているデータを使い、天下りがどの程度入札に影響を与えるかを調べた。(共同)