Thursday, April 27, 2017 11:01 AM

クロマグロ漁獲上限超え 2年目で国際合意守れず

 水産庁は27日、資源が減少している太平洋クロマグロの小型魚(30キロ未満)の国内漁獲量が同日の速報値で4008トンに達し、国際合意した年間漁獲量の上限4007トンを初めて超えたと発表した。規制導入2年目で対外的な約束を守れなかった。海域によっては漁獲量が割り当ての上限に満たない所もあり、水産庁は全国一律の操業自粛までは求めないが、資源管理に厳格な欧米からの風圧が強まるのは必至だ。

 上限に当たる漁獲枠は漁の種類別に配分し、このうち沿岸漁業は海域別などの6ブロックに細分化している。6月末までの1年間を今回の管理期間とする沿岸漁業は、西日本を中心に「想定外の豊漁」(水産庁)となり、漁獲量が早い時期から拡大。他の魚を取る定置網にマグロが入る「混獲」も多く、期末まで2カ月余り残して上限を突破した。超過分は来期の漁獲枠から差し引かれる。

 現在は罰則のない自主規制で、水産庁は太平洋南部・瀬戸内海、九州西部など上限を超えた計4ブロックには操業自粛を要請済み。太平洋クロマグロは高級すしネタで人気だが、親魚を含む国内漁獲量はマグロ供給量の約1.5%で、食卓への影響は避けられそうだ。(共同)