Tuesday, May 02, 2017 10:32 AM

施行70年、転機の憲法 改正項目で各党駆け引き

 日本国憲法は3日、施行70年を迎える。秋の臨時国会以降、衆参両院の憲法審査会を舞台に、憲法改正の具体的項目を巡って各党の駆け引きが激化する見通しだ。大災害時に国会議員の任期を延長する緊急事態条項の新設や、教育無償化などが焦点。安倍晋三首相(自民党総裁)は来年9月の党総裁選で3選を果たした上で、新たな任期となる2021年までの改憲実現を視野に入れる。制定以来一度も改正されていない憲法は、歴史的な転機に立っている。

 昨年の参院選で、安倍政権下での改憲に賛同する勢力は衆参両院でそれぞれ改憲案の国会発議に必要な「3分の2」以上の議席を占めた。首相は改憲論議を国会に委ねる基本姿勢を示す一方、1日の超党派議連の会合では「この節目の年に必ずや歴史的一歩を踏み出す」と表明。野党第1党の民進党の主張にも配慮しつつ、早期の改憲発議へ議論を加速させる意欲を強調した。

 衆院憲法審で与党は参政権や地方自治、新しい人権など8項目の論点を提示し、うち三つで意見交換した。緊急時の国会議員の任期延長も取り上げた。参院憲法審は自民と民進両党が議題を巡って対立し、今国会では一度も開かれていない。(共同)