Thursday, May 11, 2017 10:35 AM

新たな素粒子存在か 欧加速器で予想外のデータ

 生物や星を構成する物質の最小単位「素粒子」に、これまで想定されていなかった新たなものが存在する可能性を示すデータを欧州合同原子核研究所(CERN)の実験チームが得たことが11日、分かった。世界最大の加速器「LHC」を使った実験で測定した。東京大で同日開かれた研究会で報告された。

 存在を証明できれば、物理学の基本理論を書き換えることになり、2012年の万物に重さを与えるヒッグス粒子発見に続く、久々の明るい話題となる。ただ発見との結論を出すには、まだデータ量が足りないため、チームは引き続き実験を進める方針だ。

 国際実験「LHCb」チームは、スイス、フランス国境にまたがる加速器を使って水素の原子核である陽子同士を光速に近い速さでぶつけて、B中間子と呼ばれる粒子を多量に作り、壊れていく様子を観測した。(共同)