Thursday, May 11, 2017 10:38 AM

米、TPPに復帰せず 11カ国発効「反対しない」

 トランプ政権が環太平洋連携協定(TPP)に復帰する意思のないことが鮮明になってきた。貿易政策を担当するロス商務長官が9日のワシントンでの講演で、離脱した米国を除く日本など11カ国が協定を発効させても「反対しない」と明言した。米国のかたくなな姿勢は今月下旬のTPP閣僚会合の議論にも影響を与えそうだ。

 ロス氏は講演で、TPPにはトランプ大統領だけでなく、民主党候補のクリントン氏も反対だったことから「昨年11月の大統領選でどちらが勝っても12カ国の枠組みの崩壊は避けられなかった」と強調。その上で、複数国が参加する通商交渉は妥結までに長い時間がかかるため「トランプ政権は2国間協定を重視する」と改めて強調した。

 ニュージーランド政府は11日、TPPの承認を閣議決定し、日本に続いて国内手続きを終えた。11カ国は今月下旬にベトナムで開くTPP閣僚会合で声明を採択し、米国抜きでの発効に向けた道筋を示す方向で調整している。11カ国での発効に前向きな日本やオーストラリア、ニュージーランドが主導している。(共同)