Friday, May 12, 2017 10:58 AM

核禁止条約、対立埋まらず NPT準備委が閉幕

 ウィーンで開かれていた2020年の核拡散防止条約(NPT)再検討会議の第1回準備委員会は12日、NPT体制や核軍縮の重要性を強調し、核兵器禁止条約への賛否や北朝鮮の核開発に対する非難も盛り込んだ議長総括を発表、閉幕した。核禁止条約を巡る推進国と核兵器保有国の主張は平行線をたどった。

 ファンデルクワスト議長によると、NPT文書に核兵器禁止条約の議論が記録されたのは初めて。推進国と核兵器保有国が対立する中、各国が今後、再検討会議でのNPT体制強化と核廃絶に向けた合意形成で前進できるかが焦点となる。

 米国は12日の会合で、北朝鮮の脅威を取り上げ「核抑止と並行した効果的な不拡散体制が核の危険を減らす」とし、禁止条約は安全保障の環境を無視しており「核兵器を1発も減らせない」と改めて強調した。

 禁止条約推進国のオーストリアは、核兵器による安全保障は核拡散を促すと反論。禁止条約が世界の安全保障の強化に役立つと訴えた。(共同)