Friday, May 26, 2017 11:01 AM

副作用12件、国に報告せず バイエル社、血栓症治療薬

 大手製薬会社「バイエル薬品」(大阪市)は26日、製造販売している血栓症治療薬「イグザレルト」について、医薬品医療機器法で必要とされる国への副作用報告を怠った事例が12件確認されたと発表した。厚生労働省は26日までに同社から報告を受けたとし、「命に関わる重要な事例はなかった」と説明。ただ他に同様の事例がないかどうか、全製品を対象とする調査を求める。

 バイエル社などによると、2012年と13年、血栓症治療薬の形状や服薬回数について、宮崎県内の診療所医師の協力を得てアンケートを実施。男女12人がイグザレルトを服用し、「鼻血や皮下出血が起こりやすい」「胃腸が痛かったり、むかむかしたりする」「湿疹など皮膚症状が出る」といった指摘があったが、副作用として報告しなかった。

 同社は取材に「今回の事態を真摯に受け止め、未報告の副作用症例がないか他の製品も含めて調査する」とした。ただイグザレルトの安全上の問題はないとし、今後も製造販売を継続する。副作用報告を怠った理由は今後詳しく調べるという。(共同)