Monday, July 25, 2016 10:32 AM
ターゲット、元アップルの物流責任者を雇用
小売り大手のターゲットは、デジタル機器大手アップルで米州の物流責任者を務めた経験を持つベンジャミン・クック氏を、国際ロジスティクス、在庫配分、補充担当上席副社長として雇用した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、クック氏は在庫の監督や仕入計画に加え、運送会社の輸送や宅配を含む物資の出入りの最適化を指揮する。
特に在庫管理は、売り上げに占めるオンライン販売の比率上昇に伴い、実店舗での在庫切れ問題に苦しむターゲットにとって重要な課題となっている。経営陣は、来店の頻度を減らしてまとめ買いするといった消費者行動の変化に合わせて在庫の組み合わせを調整することが重要と考えており、ジョン・マリガン最高業務責任者(COO)は5月の収支報告で「重要な部門で追加の在庫投資を行い、第1四半期に在庫状況が前年同期から27%改善した」と発表している。
オンラインで買い物をする消費者が増える中、小売店はオンラインとオフライン(実店舗)の両方の顧客に在庫を供給できるよう、新しいテクノロジーへの投資や古いやり方の改善に取り組んでいるため、物流のコストや複雑さが増している。対応戦略の一部として、倉庫のデザインから在庫管理、配給、ビッグデータまですべてを知る人材を採用し、物流専門家をより高い職位に就ける傾向が強まっている。
クック氏は日用品大手キンバリー・クラークや住宅改装用品ホーム・ディーポで物流管理に関わった経験もあり、ターゲットではサプライチェーン業務の総指揮をとるアーサー・バルデス氏に直属する。バルデス氏自身も今年3月にアマゾンからターゲットに移籍した人物で、アマゾンは「新しい職に就けばアマゾンに不利、ターゲットに有利な極秘専有情報を開示することになる」と氏を訴えたが、4月には和解して訴えを取り下げている。