Tuesday, July 18, 2017 11:27 AM

配偶者の相続、増加へ 住居は遺産分割の対象外

 民法の相続分野の見直しを進めている法制審議会(法相の諮問機関)の部会は18日、婚姻関係が20年以上の夫婦の場合、配偶者が生前贈与や遺言で与えられた住居は、相続人が遺産分割で取り分を計算する際の対象から除外する案をまとめた。配偶者は、法定相続に基づくと住居を除いた遺産の2分の1を得ることになり、住居を含めた遺産の2分の1を得る現在の仕組みよりも取り分が増える形となる。

 現行法では、配偶者が住居の所有権を得ると、評価額次第では残る遺産の分割で得られる財産が少額にとどまり、働くことが難しい高齢者だと生活が不安定になる恐れがある。案は高齢化社会が進む中、生活の困窮を防ぐ狙いがある。

 現在は住居が生前贈与されるなどしていても、遺産分割の際には改めて住居を含めて取り分を計算するが、案では住居を除外して計算することになる。法務省は、配偶者に住居を与えた故人には、住居を遺産と見なさない意思があったと推定する規定を民法に設ける方針で、8月上旬〜9月末に意見公募を実施。2018年1月ごろまでに要綱案を作成し、同年の通常国会に民法改正案の提出を目指す。(共同)