Wednesday, July 27, 2016 9:54 AM

燃費リーダーのマツダ、CAFE達成へ正念場

 米政府の厳格な燃費規制への対処が迫られる中で、燃費技術でリードするマツダが2025年の企業平均燃費(CAFE)達成へ向け重要な局面を迎えている。

 マツダには電気自動車(EV)を開発する計画はないうえ、売り上げの大半を占める小型車からクロスオーバー車に重点を移す戦略を敷いている。

 オートモーティブ・ニュースによると、北米マツダ最高経営責任者(CEO)の毛籠勝弘(もろ まさひろ)氏は、「21年に関してはCAFE基準の達成に自信があるが、25年は基準がかなり高いので別問題」と語った。

 マツダは16年、EVを生産してないメーカーとして初めて同年のCAFE基準(34.1mpg)を達成した。他のメーカーによる達成はEVのみを製造するテスラ・モーターズのみだ。マツダが米市場に投入しているのはガソリン車のみで、ハイブリッド車も販売していない。

 マツダを燃費リーダーの座に押し上げたのは、内燃エンジンの燃費を大幅に改善する車両技術「Skyactiv(スカイアクティブ)」だ。

 毛籠氏によると、21年のCAFE基準達成は17年投入の第2世代スカイアクティブが立役者になる。スカイアクティブ2はエンジンの圧縮比を高め、混合気中のガソリンの比率を極めて少なくする均質リーン(希薄)なHCCI(予混合圧縮着火)を採用している。ガソリンを極端に希薄にすることから、点火プラグによる着火だけではうまく燃えない領域が多くなるため、軽油を燃料とするディーゼル・エンジンのように圧縮着火させる必要がある。圧縮着火の技術のひとつが「HCCI」であり、他のメーカー各社は開発中ながら実用化に至っていない。

 毛籠氏は25年の基準(54.5mpg)達成へ向け、マツダはガソリン・エンジンの効率を改善するハイブリッド技術を採用する可能性もあると述べた。

 毛籠氏は、CAFEよりも大きな課題としてゼロエミッション車(ZEV)ルールを挙げる。カリフォルニア州をはじめ9州が、25年までに新車販売の15%以上をZEVで構成するようメーカーに義務付けている。