Thursday, August 03, 2017 10:51 AM

法的拘束力に言及なし 南シナ海行動規範枠組み案

 東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国が5月に合意した南シナ海問題に関する「行動規範」枠組み案が3日、判明し、焦点の法的拘束力に関する明確な言及がないことが分かった。中国が南シナ海の軍事拠点化を進める中、緊張を高める行動の自制を約束した「行動宣言」から「行動規範」への格上げが注目されてきたが、実効性が問われることになりそうだ。

 外交筋によると、法的拘束力が盛り込まれることを嫌う中国が、ASEANの分断や取り込みを図っていることが影響している可能性がある。枠組み案は6日、フィリピンの首都マニラで開かれる中国ASEAN外相会議で承認される見通し。

 枠組み案は「目的」として「関係国の行動を導き、南シナ海での海洋協力を進めるための規範を含む、ルールに基づいた枠組みを制定する」と明記。しかし「原則」の項で「領有権争いや海洋での境界問題を解決する手段ではない」「国際法と内政不干渉の原則に従い、互いの主権を尊重」とし、行動を縛る義務的内容は明確には含まれていない。(共同)