Friday, September 08, 2017 10:44 AM

干ばつ解消に地下水活用 サハラでIAEA調査

 サハラ砂漠南部のサヘル地域で生活用水の確保や干ばつの解消に役立てようと、核の番人と言われる国際原子力機関(IAEA)が各国の地下水源調査を支援している。放射性物質の分布や移動経路を調べる技術を応用し、水中の放射性同位体の割合や減衰率など「水の指紋」を追跡、良質な水源を特定するなど成果を上げている。

 IAEAは地下水の持続的な利用や汚染防止など水源管理で協力を呼び掛け、貧困や水資源を巡る争いの解消につなげたい考え。担当責任者は「水不足の被害を最小限にし、地域の安定化にも貢献したい」としている。

 放射性同位体などを分析する最新鋭機器が並ぶIAEA本部(ウィーン)の研究所。松本拓也・同位体分析官は「地下水がどこから来たのか分かる。最近降った雨か、100万年前なのかも区別がつく」と説明する。(共同)