Thursday, September 14, 2017 11:38 AM

危機時の対応に懸念も 日銀、金利操作から1年

 日銀が金融政策の目標をお金の量から金利に転換してから21日で1年を迎える。国債の購入額を柔軟化して緩和策の持続性に対する疑念を弱め、長期金利を0%程度に操作することで金利全般の過度な低下を是正した。ただ北朝鮮情勢の緊迫化といった金利下落局面では円高を増幅させる恐れがあり、危機時の対応を懸念する声もある。

 日銀は20、21日に金融政策決定会合を開く。物価上昇率2%目標の実現が遠いとして、現行の緩和策を維持する方向だ。

 日銀はデフレ脱却を目指して2013年4月に国債を大量に買って市場にお金を流し込む大規模緩和を開始。2年程度での実現を掲げた2%目標が達成できず緩和が長期化したことで、購入目標の年80兆円を維持すると買える国債がなくなり、日銀が手詰まりに陥るとの不安が金融市場で強まった。昨年9月の政策変更によって購入額は減少し、市場では現状の購入ペースが続けば17年は60兆円を割り込むと予測し「政策の持続性が高まった」との見方は多い。(共同)