Tuesday, October 10, 2017 1:58 PM

食品の期限表示を見直そう〜業界団体、廃棄食料の削減で

 食べられることなく捨てられる食料の多さが世界的な問題となる中、業界には食品に表示する消費期限を見直す動きが広がっている。

 公共ラジオNPRによると、米国の食料廃棄量は年間1330億ポンドと推測され、世界では13億トンが無駄に捨てられている。その理由の1つは食品に表示されている日付をめぐる混乱で、いわゆる「販売期限(sell by date)」が過ぎるとまだ安全に食べられる食品でも捨ててしまう人が多いためだ。一般的な米世帯は最終的に捨てられる食品に年間約1500ドルを支出しており、全米の無駄遣いは膨大な額に上る。

 そこでウォルマート、ケロッグ、ネスレ、キャンベル・スープ、アマゾンなど食品・消費財メーカーや小売店400社以上が加盟する国際業界団体、消費財フォーラム(CGF)はこのほど、政府、企業、国際機関、研究機関などの代表で作る「チャンピオンズ12.3」の総会で、世界の同業に日付表示の簡素化を呼びかけた。CGFのサステイナビリティ担当責任者イグナシオ・ガビラン氏は「目標は、消費者の混乱を鎮めるため食品の日付表示を世界的に簡略化し、統一すること」と説明する。

 CGFの取り組みは、全米食品製造業者協会(GMA)と食品マーケティング協会(FMI)による自主的活動を基盤にしており、その目標は、紛らわしいさまざまな言葉で食品パッケージに表示されている消費の目安となる日付を「BEST if Used By」(賞味期限)と「Use-By」(消費期限)の2つに統一することにある。

 賞味期限は食品の品質に関する目安で、この日を過ぎると味や質は落ちる可能性があるが、安全性が損なわれるわけではない。一方、消費期限は劣化が早くあまり保存が利かない食品に使われる表示で、その日を過ぎると食べない方がいい。

 チャンピオンズ12.3は、国連が2015年に定めた「30年までに世界の食料廃棄物を50%削減する」という目標の達成を目指している。チャンピオンズによると、世界人口の28%が食料廃棄物の削減を目指す地域に住んでおり、世界の食品大手50社のうち60%が食品の無駄や余剰の削減目標を定めている。