Monday, October 16, 2017 11:30 AM

重力波と光、初の同時観測 銀河で中性子星が合体

 地球から1億3000万光年離れた銀河で、互いを回る二つの高密度な恒星「中性子星」が合体して出た重力波を観測したと、米国の重力波望遠鏡「LIGO」と欧州の「VIRGO」のチームが16日発表した。日本の国立天文台を含む世界中のチームも直後に出た光を観測して合体を確認した。天体が出す重力波と光を同時に観測したのは初めて。

 日本チームによる赤外線データの分析で、合体時に鉄より重い元素が合成されたことも分かった。目では見えない重力波を手掛かりに、光や電波などさまざまな観測手法を駆使して詳しい現象を明らかにする新たな天文学が始まった。

 重力波は物が動くと周りの空間が揺れて波のように広がる現象。LIGOのチームはブラックホールが合体した重力波を観測して今年のノーベル物理学賞に決まった。今回は初めて中性子星の合体による重力波を捉えた。(共同)