Wednesday, October 18, 2017 10:54 AM

市場楽観、ちらつく警戒感 ブラックマンデーから30年

 1987年の世界同時株安の引き金となったニューヨーク市場の株価暴落「ブラックマンデー(暗黒の月曜日)」から19日で30年を迎える。米株価は連日の最高値更新を続け、日経平均株価も約21年ぶりの高値圏に浮上している。市場に楽観論が広がるが、世界的な金融危機は約10年ごとに繰り返されており、株高は「市場の慢心」ではないかとの警戒感もちらつく。

 30年前の10月19日月曜日。ダウ工業株30種平均は前週末の2246ドルから508ドル値下がりし、下落率は22.6%に達した。当時は米国の貿易と財政の「双子の赤字」が拡大し、ドル安が進んでインフレ懸念が強まるなど投資家の間に先行きへの懸念が広がっていた。日本にも影響し、その後90年代初頭のバブル崩壊や「失われた20年」と言われる長期停滞を経験することになった。

 市場の混乱が実体経済を危機に陥れる例は多い。そもそもブラックマンデーの語源となったのは、世界恐慌のきっかけとなった29年10月のニューヨーク市場での株価暴落「ブラックサーズデー(暗黒の木曜日)」だ。(共同)