Monday, November 06, 2017 2:14 PM

血液がん狙い撃ち死滅 マウスで、免疫療法開発へ

 血液のがんの一種「多発性骨髄腫」の細胞だけを攻撃し、大半を死滅させることにマウスを使った実験で成功したと、大阪大の保仙直毅准教授(腫瘍免疫学)のチームが6日付の米医学誌ネイチャーメディシン電子版に発表した。

 骨髄腫細胞の表面で異常に増加しているタンパク質を標的に攻撃する免疫細胞を、遺伝子操作を利用して体外で作製し、増やしてから体内に戻す免疫療法「CAR-T細胞療法」として実用化する計画。医師が主体となって進める治験の2019年度開始を目指す。

 チームは、血液細胞の一種ががん化した骨髄腫の細胞表面で、細胞同士の接着に必要なインテグリンベータ7というタンパク質が異常に増えていることに注目。インテグリンベータ7に結合し、骨髄腫細胞だけを攻撃する抗体を見つけようと考えた。(共同)