Tuesday, November 07, 2017 10:23 AM

エネルギー業界、データ分析と人工知能に積極投資

 エネルギー業界によるビッグ・データと人工知能への投資が2017年に10倍に拡大したことが、会計事務所BDOによる最近の調査報告でわかった。

 グリーンテック・メディアが報じたBDOの調査結果によると、エネルギー分野の企業と人工知能分野の新興企業に関する合併&吸収(M&A)は、平均取り引き額が2017年第1四半期の5億ドルから第2四半期には35億ドルに急上昇した。

 また、M&A件数は、第1四半期の6件から第2四半期には8件に増加した。上半期だけで14件という実績は、2016年通年の15件に匹敵する。「今後数年にわたるM&A傾向の初期段階にあると言えるだろう」とBDOの報告書は評した。

 ビッグ・データや人工知能といった分野の投資をあと押ししているのは、再生可能エネルギーの断続性を管理するために分析能力を高める必要性があるということだ、とBDOはみている。

 たとえば、エネルギー業界のコンサルティングを手がけるウィルダン(Wildan)は2017年7月に、データ分析技術を手がけるインテグラル・アナリティクス(Integral Analytics)を3000万ドルで買収した。5月には、スマート・メーター大手のアイトロン(Itron)が、需要反応技術を提供するコムヴァージ(Comverge)を1億ドルで買収した。

 特に公益会社は積極的に買収に動いている。GTMリサーチの調べによると、グリッド・エッジの分析技術やソフトウェア開発を手がける新興企業に対し公益会社は総額30億ドル近くを投資した。

 イタリアのエネル(Enel)によるエネルNOC(EnerNOC)とデマンド・エネルギー(Demand Energy)の買収、韓国の斗山(Doosan)によるワンエネルギー・システムズ(1Energy Systems)の買収(2016年)が、その種の動きと言える。

 「大手エネルギー会社のほとんどは、データや人工知能、機械学習を使って業務効率を改善する機会を模索している。そのなかにはエクソンやシェル、BP、シェブロンといった石油大手も含まれる」と、報告書を著したBDOのジェイコブ・サンド氏は語っている。

https://www.greentechmedia.com/articles/read/big-data-and-ai-deals-in-energy-are-up-10-fold-in-2017#gs._IaCRtY