Thursday, November 30, 2017 9:52 AM

相撲文化の違いに戸惑い モンゴル、引退に疑問

 モンゴル出身の大相撲の横綱日馬富士関が暴行問題の責任を取って29日引退したことに対し、モンゴル相撲関係者の間で暴力を非難しつつも「ここまで深刻な事態にしなければならないのか」と疑問の声が広がっている。日本との相撲文化や国民性の違いも戸惑いの背景にありそうだ。

 モンゴルでも相撲は国技で、相撲部屋を通じて力士を育てるなど日本の大相撲との共通点は多い。一方で、モンゴル相撲の横綱に相当する「アバラガ」には、日本の横綱ほど品位が重視されることはない。長い歴史を持つが、伝統文化というよりは純粋なスポーツとして楽しまれている。

 モンゴル相撲の協会理事を務めるプレブオチルさん(68)は「モンゴルでも上下関係はある程度厳しいが、先輩力士が後輩を殴って教育することはあり得ない」と話し、暴力行為は許されないと強調。その上で元日馬富士関について「礼儀正しくて頭の良い青年。問題を起こした背景には横綱にさまざまなプレッシャーがかかる大相撲の負の影響が出たのではないか」と指摘した。(共同)