Monday, December 04, 2017 10:03 AM

NATOの町に被爆者公園 平和賞喜ぶ住民も

 欧米の軍事同盟、北大西洋条約機構(NATO)が欧州の最高司令部を置くベルギー南部モンスに、核兵器廃絶を願って設けられた公園がある。「パルク・ヒバクシャ」(被爆者公園)と名付けられ、毎年夏に広島と長崎の原爆犠牲者の追悼行事を続ける地元の人々は「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のノーベル平和賞受賞を心から歓迎している。

 公園設置を提唱したのは、1985年の平和賞受賞団体「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)」メンバーとして地元の反核運動を主導した故ピエール・ピエラール・モンス大学教授(2010年に死去)。妻で反核運動家のマシャさんはICANへの授賞について「おめでとう。若い世代が(核廃絶の)闘いを続けていると知ったら夫は喜んだでしょう」と話した。ICANはIPPNWの提案で発足した。

 大学が敷地内に提供した200平方メートルの土地を1989年、公園に。ピエラール氏は学生らと共に、核実験が実施されるごとに米国ならオーク、ソ連はシラカバ、中国はイチョウと各国を象徴する木を植え、実験日や実験国の名を記した高さ数十センチの石柱を並べた。(共同)