Monday, December 11, 2017 10:30 AM

平和賞NGO、保有国非難 核の傘、日本も「共犯に」

 ノーベル平和賞を受賞した非政府組織(NGO)「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)のフィン事務局長は10日、ノルウェー・オスロでの授賞式演説で「核兵器が使われるリスクは冷戦末期より高い」と述べ、各国政府に核兵器禁止条約に加わるよう求めた。条約に反対する米ロなど核保有五大国や北朝鮮を名指しで非難。日本も該当する「核の傘」に入る国には「共犯者になるのか」と問い掛け、核廃絶を改めて訴えた。

 核禁止条約は史上初めて核兵器を非合法化する条約で7月、国連で採択された。ICANは核の非人道性を訴えるなどの活動を通じ、採択の原動力となった。しかし核保有国は「安全保障上の脅威を無視している」として条約に反対。米国の核の傘で守られる日本も、核廃絶を巡る「アプローチが異なる」と署名しない方針を重ねて示している。

 フィン氏は演説で、約1万5000個の核兵器が世界にあると指摘。冷戦末期より核武装国が増え、テロリストやサイバー戦争も安全を脅かしていると述べ「核戦争が起きなかったのは賢明な指導者のおかげではなく、運が良かっただけだ」と危機感をあらわにした。(共同)