Monday, December 11, 2017 10:34 AM

「国際核軍縮機関」新設を 禁止条約、米露協力活用も

 ノーベル平和賞を受賞した「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が採択に貢献した核兵器禁止条約は、核廃棄を検証する「国際機関」を指定するよう定めている。これに絡み、国際原子力機関(IAEA)の元幹部が「国際核軍縮機関」(INDA)新設を呼び掛けている。条約に反対する米国とロシアがかつてIAEAと合意、実際に行った核軍縮の取り組みを土台にする構想だ。

 米露とIAEAの3者は核軍縮推進を目的に1996年から約6年間、両国が削減した核弾頭のプルトニウムなどの核物質をIAEAが監視、検証する方法を研究した。この際IAEA側の責任者を務めたトーマス・シェイ氏(77)がINDA設立の提唱者だ。

 核弾頭の構造、ウランやプルトニウムの同位体の配合は機密中の機密。3者は核保有国、非保有国の査察官に機密を漏らさずに検証を行う「属性検証」と呼ばれる手法で合意しており、これを発展させてINDAによる核廃棄の検証に役立てようという考え。(共同)