Thursday, December 21, 2017 11:16 AM

GDP13兆円、雇用75万人 TPP11、日欧EPA効果

 政府は21日、11カ国の環太平洋連携協定(TPP)や欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)が発効すると、経済規模を表す実質国内総生産(GDP)が合わせて年約13兆円増えるとの試算を発表した。米国の離脱でTPPの効果は4割超縮小するが、日欧EPAが上乗せされて12カ国のTPPに近い恩恵を見込んだ。約75万2000人の雇用も生み、安い海外産品の流入に伴う農林水産物の国内生産への影響は小幅だと推計した。

 二つの通商協定は手続きが順調なら、ともに2019年に発効する。GDP押し上げは2.5%分に当たり、1%台の低成長が続く日本にとって弾みとなる。一方、農業では価格下落を想定しながらも、コスト抑制などの支援策で農家の所得と生産量は維持できる前提としており、試算の根拠には異論も出そうだ。

 15年12月に公表したTPPの試算は、GDPが2.59%(約13兆6000億円)底上げされる内容だった。米国を除くと効果は1.49%に縮小し、日欧EPAは0.99%と新たに分析。16年度のGDPを基にそれぞれ約7兆8000億円、約5兆2000億円、合わせて約13兆円と見積もった。貿易が活発になって商品価格が下がり、個人消費や設備投資が増えるのが主因だ。(共同)