Tuesday, January 09, 2018 11:08 AM

糖尿病治療に有効な希少糖 自治医大などの研究チーム

 自然界に少量しか存在しない希少糖の一種で、血糖値の上昇抑制や肥満予防に役立つとされる「D-アルロース(プシコース)」が、糖尿病治療に有効なホルモン「GLP1」の分泌を促す効果を持つことがマウスの実験で分かったと、自治医大などの研究チームが9日付の英科学誌電子版に発表した。

 矢田俊彦・自治医大教授(生理学)らの研究チームによると、GLP1はインスリンを分泌させたり、食欲を抑えたりする。糖尿病治療では同様の効果がある注射薬が用いられるが、吐き気などの副作用があり、今回の発見で経口投与ができる薬の開発につながるという。

 研究では、肥満のマウスにD-アルロースを飲ませて、腸でGLP1が分泌されるのを確認。脳の満腹中枢を刺激するため食事の量は減り、内臓脂肪や高血糖の改善も見られた。投与の時間帯によるが、人の場合は夕食前の摂取が効果的という。(共同)