Tuesday, January 30, 2018 10:42 AM

不妊手術強制、国を初提訴 「旧優生保護法は違憲」

 旧優生保護法(1948〜96年)下で知的障害を理由に不妊手術を強制された宮城県の60代女性が「重大な人権侵害なのに、立法による救済措置を怠った」として、国に1100万円の損害賠償を求める訴訟を30日、仙台地裁に起こした。旧法を巡る国家賠償請求訴訟は初めて。「憲法が保障する自己決定権や法の下の平等原則に反する」と違憲性を主張する方針。

 国は「当時は適法だった」として補償や謝罪をしていない。日弁連によると、旧法により不妊手術を施された障害者らは全国で約2万5000人、うち約1万6500人は強制だったとされる。弁護団は記者会見で「全国で提訴の動きが広がることで問題の早期解決につながる。声を上げてほしい」と強調。既に複数の相談が寄せられた。

 宮城県では資料が残る63〜86年度、旧法下で障害などを理由に不妊手術を施されたとして、個人名記載の859人のうち半数以上が未成年で、最年少は女児が9歳、男児が10歳だったことが県への取材で判明。共同通信が今月25日時点でまとめた調査では、個人名記載の資料は宮城県を含む19道県に約2700人分が現存している。(共同)