Friday, March 09, 2018 11:22 AM

TPP11署名、年内発効も 拡大に意欲、保護主義対抗

 日本など環太平洋連携協定(TPP)参加11カ国は8日午後(日本時間9日未明)、チリの首都サンティアゴで米国抜きの新協定に署名した。米離脱から1年余りで巨大経済圏づくりが最終合意。各国は国内手続きを加速させると表明し、発効が2019年の早い時期とした従来想定から18年中に繰り上がる可能性も出てきた。公表した閣僚声明は「将来の広い経済統合のための基盤を創出する」とし、参加国を拡大して保護主義に対抗する意欲を示した。

 ただ11カ国が米復帰を望んできたのに対し、トランプ大統領は再交渉抜きでは応じない構え。発動が決まった鉄鋼輸入制限への懸念も強く、TPPや自由貿易体制は今後も米国が波乱要因になる。日本は、市場開放に踏み切る国内農業の強化が急務となった。

 閣僚声明は「ルールに基づく、透明性のある通商システム」を目標に掲げ、米国のような自国優先策との違いを明確にした。署名式後の記者会見でチリのムニョス外相は「保護主義の圧力がある中、われわれは門戸を開くというシグナルを発した」と宣言した。(共同)