Thursday, April 26, 2018 11:34 AM

米石炭輸出、17年は61%増〜アジアで発電向け需要が急増

 2017年の米石炭輸出量は9700万トン(ヤードポンド法、メートル法のトンよりやや少ない)となり、前年から61%と大幅な増加を記録したことが、米エネルギー情報局(EIA)のまとめで分かった。

 グリーン・カー・コングレスによると、米国産の石炭の最大の輸出先は依然として欧州だが、アジア向けが1570万トンから3280万トンと2倍以上に増えた。増加の大部分は発電に使われる一般炭が占めており、輸出先上位5カ国にはインド、韓国、日本が含まれた。

 首位のインドは、国内の発電キャパシティの伸びに対応するため、前年のほぼ3倍に相当する760万トンを輸入した。インドでは近年、電力需要の増加を受けて石炭火力発電の発電能力が2倍以上に拡大しており、国内でもほとんどの需要に対応できるだけの石炭を生産しているが、新しい火力発電所の多くは一般的なインド産の石炭より高質でエネルギー含有量の多い石炭を使うため、輸入が必要となっている。

 3位の韓国は、脱原発を計画しているため石炭火力発電への依存度が高まっており、米国からの輸入量は前年の130万トンから17年は590万トンと大幅に増加した。

 日本は、11年の東日本大震災による東電福島第1原発事故を受けて停止した国内の原発のほとんどがまだ再稼働していないため、発電は依然として化石燃料が主流。エネルギー需要の90%以上を輸入に依存しており、米国からの一般炭輸入は60万トンから270万トンに増加した。

 米国は原料炭の輸出も増加した。17年は5530万トンに達し、石炭輸出全体の構成比は前年の3分の1強から57%に拡大した。原料炭は主に鉄鋼生産に使われており、最大の輸出先は欧州で、輸出全体の45%を占めた。国別では、上位6カ国(ブラジル、日本、ウクライナ、カナダ、インド、韓国)が輸出の半分以上を占め、このうちウクライナを除く5カ国は、17年の対米鉄鋼輸出国トップ10に入っている。