Wednesday, June 06, 2018 10:39 AM

ノベリス、中国で生産強化〜アルミ板、貿易摩擦の中でも

 アルミ圧延大手ノベリス(スティーブ・フィッシャー社長兼CEO、ジョージア州)は、中国・江蘇省常州市の工場に約1億8000万ドルを投資し、同国での自動車ボディ用アルミ板の生産能力を倍増する。

 ロイター通信によると、ノベリスは20年までに、常州工場の生産能力を今より約10万トン高める。従来の自動車メーカーおよび新興のEVメーカーが20年から21年にかけて新モデルを発売するのに対応、約160人のフルタイム雇用が生まれる見込み。

 トランプ政権が3月、鉄鋼に25%、アルミニウムに10%の追加関税を課して以来、中国と米国の間で貿易摩擦が激しくなっている。中国製のアルミ箔やアルミ合金板も、米国で不当に安く売られているとして反ダンピング関税を課されている。

 ノベリスは「常州市から米国に向けたアルミ材料の輸出は計画していない。投資は、成長するアジア市場を見据えて行われる」と説明した。中国政府は排ガスの削減に取り組んでおり、EV向けのアルミ板に「有利な機会」を提供している。

 ノベリスは「今後8年間で世界の自動車用アルミ材料の需要はほぼ3倍になると予想され、特に国内外の自動車メーカーがアルミの導入と車両生産を拡大している中国には最大の成長の可能性がある」と指摘した。