Wednesday, June 22, 2016 10:10 AM

バイエル、ツイートめぐり謝罪〜菜食主義の奨励に農家反発

 ドイツの医薬品・農薬大手バイエル(Bayer)の農作物科学部門は、ツイッターのアカウントに投稿した「肉の需要が減れば環境の恩恵となる」と受け取れる書き込みに多くの農家から反発を受けたため、21日までに謝罪した。

 ロイター通信によると、ツイートは19日に同部門バイエル・クロップ・サイエンスの公式アカウント「@Bayer4crops」に投稿され、出典として「菜食主義者になれば食料関連の炭素排出量を半分に減らせる可能性がある」というVox.com の記事をリンクしていた。

 これに対し、肉の消費量が減ると所得が打撃を受ける畜産農家や家畜の餌を供給する穀物生産者が一斉にツイッター上で反発。「もう取引をやめる」と書き込む農家も現れた。クロップ・サイエンスの広報担当者は20日、「このツイートは誤りで、会社の見解を反映していない」と説明。投稿を削除した上で、不満を表明した約130人のツイッター利用者に向けて「畜産業界は地球に食料を提供しており、喜んで支援する。敵視するつもりはなかった。申し訳ない」という謝罪のツイートを投稿した。

 一部の農家は謝罪を評価したが、怒りが収まらない人もおり「今週どの農薬を買うかを決める。このツイートの後では多分バイエルの商品は選ばない」とツイートする穀物農家もあった。

 バイエルは現在、世界最大の種子・農薬販売会社モンサント(Monsanto、ミズーリ州)の買収を試みており、一部の農家はこの合併に反対している。