Friday, March 28, 2025 9:10 AM
米国で自動車盗難が急減〜現代・起亜の防止対策が寄与
米国の自動車盗難数が減り、過去40年間で最大の減少幅を見せている。現代(ヒョンデ)と起亜を中心とする自動車メーカーが盗難防止対策を強化し、サプライチェーン(供給網)の制約が緩和されたことで部品目的の自動車盗難が利益を生まなくなったと見られる。
ロイターによると、現代と起亜の車は、盗難防止装置(イモビライザー)がないため盗難の標的になりやすく、「Kia Boys」などと呼ばれるソーシャルメディアの流行を生み、2021年と23年には最も多く盗まれた車種リストで首位になった。
24年も現代と起亜は盗難車の上位5車種に入ったが、民間団体・全米保険犯罪局(NICB)の統計によると、盗難件数は約37.5%減少した。
現代の米国法人は、イモビライザーのない特定のエントリーレベルのモデルの盗難を防ぐため、無料のソフトウェア更新、イグニッションシリンダープロテクター、および払い戻しプログラムなどの対策を実施したと説明した。姉妹ブランドとしてプラットフォームと部品を共有する現代、起亜の車両は、盗難対策の弱いモデルの68%がすでに盗難防止アップデートを受けているという。
NICBデータによると、24年の全米車両盗難数は前年比16.6%減の85万0708台。23年は過去最高の102万台だった。自動車部品と新車の供給が改善されたため、窃盗犯にとって車を盗むことがあまり魅力的ではなくなったようだ。
首都ワシントンDCは同年、車両盗難発生率が10万人当たり842件と最も高かったが、前年比では18%減となった。次いでカリフォルニア州とニューメキシコ州がいずれも10万人当たり約460件だった。
マイアミ大学のアレックス・ピケロ教授(犯罪学)は、窃盗団の壊滅に向けた法執行機関の取り組みを評価した。一方でシンクタンクの刑事司法評議会(CCJ)は、国内外での闇市場での販売が減ったことも車両盗難減少の一因となった可能性があると指摘した。