Tuesday, June 18, 2019 10:25 AM

OMV、AI活用で石油・ガス生産コストを半減

 オーストリアの石油・ガス大手OMVは、データ分析と人工知能(AI)を活用してわずか12カ月余りの短期間で生産コストを半減させた。

 フォーブス誌によると、OMVのデジタル事業担当副社長マーカス・バーグホファー氏は、ノルウェー・オスロで開かれた技術業界会議「イグナイト(Ignite)2019」での講演で、業務デジタル化を開始して12カ月余りで、生産コストが石油換算で1バレル当たり15ドルから7ドルに下がったことを明らかにした。同社は2025年までに5億ユーロをデジタル革新に費やす計画で、業務の効率化だけでなく、作業員の安全と健康や業界への人材誘致も含めた多岐にわたる目標を掲げているという。

 OMVの18年の生産量は、石油換算で1日当たり42万7000バレルだった。同社は石油とガスの生産のほか、3カ所で精製も行っており、その処理能力は年間1780万トン。さらに同社は10カ国で2000カ所以上の給油所を経営し、オーストリアとドイツにガス貯蔵施設も所有する。

 バーグホファー氏によると、現在のデジタル化の取り組みはCEOと取締役会から強力な支持を得ている。「技術者として申し分のない環境だ。すべての事業部門がデジタル化の可能性を考えている。社内で人材を育てるためにデジタル・アカデミーも設立した」

 OMVは5月、ノルウェー拠点のアケル(Aker)と英BPの合弁会社アケルBPと提携した。両社はデジタル分野の技術力を共有し、広範でのデジタル変革を開始する計画だ。