Monday, July 22, 2019 10:02 AM

建設業界、人工知能とIoTの次なる成長市場

 建設業界は現在、生産的破壊(disruption)に直面している(英語では、革新による現状打破を、「混乱」や「崩壊」という意味の単語「ディスラプション」で表現する。弊誌では、その意味で使われる「ディスラプション」に「生産的破壊」という和訳をあてている)。

 建設業界はこれまで、自動化の難しい業種の一つと考えられてきた。建設場所が事業によってばらばらで、一つの建物を建設するのに20〜30の業者が入るためだ。

 そのため、建設業界に自動化をもたらす革新に挑戦する新興企業が増えている。

 ステイシー・オン・IoT誌によると、建設業界向け自動化の初歩は、カメラか機械視認を活用した現場地図化による作業効率化や問題予想だ。

 新興企業インダス・ドット・エイアイ(Indus.ai)は、既存のカメラで建設現場を地図化し、作業員や資材の流れを追跡するとともに、撮影データを集めて統合して分析することで、起こり得る問題を予想する。問題を予想できれば予防策を実行でき、不測の事態を避けることで工事の遅延や余計な支出を防ぐことが可能となる。

 建設会社らは、インダスのプラットフォームを高評価している。特別のシステムを必要としないため、既存の工程を変える必要がないためだ。

 インダスの共同創設者マット・マンCEOによると、同社は、現場に設置するカメラ1台あたりとソフトウェアの月間使用料金を建設会社に請求する。同ソフトウェアは、映像の撮影と洞察の抽出を実行する。屋内カメラの使用料は屋外カメラより高く設定されている。屋内のほうが、作業員と資材の動きが複雑というのがその理由だ。

 そのほか、建設事業にかかわる膨大な量の書類や設計図、図表のたぐい、工程表をデジタル化して、関係者たち全員で簡単に共有できるようにするプラットフォームを複数の新興企業が構築して建設業界に提供している。同分野では、業界内統合がすでに起きている。2018年にはオートデスク(Autodesk)がプラングリッド(PlanGrid)を買収し、また、トリンブル(Trimble)がヴューポイント(Viewpoint)を12億ドルで買収している。

https://staceyoniot.com/construction-is-the-next-big-target-for-ai-and-iot/