Thursday, October 24, 2019 10:12 AM

日立、新しいEVインバーターの量産開始

 日立オートモティブシステムズは、電気自動車(EV)向けに800ボルト(V)対応の高電圧・高出力インバーターの量産を開始した。

 同社のプレスリリースによると、新しいインバーターは、EVの加速性能の向上と充電時間の短縮を目指して設計されており、高い冷却性能と高耐圧化によって従来の2倍の高電圧化と2.7倍の高出力密度を実現した。同社はこのシステムを実現するために、パワー半導体の実装技術も新しく開発している。

 800Vシステムは、必要なエネルギーをより短時間で電池に送ることが可能で、大容量電池を素早く充電できるようになる。同社はシステム電圧の800V化に対応するため、インバーター全体の絶縁設計を見直すとともに、新たに高電圧対応の絶縁放熱実装技術を搭載した直接水冷両面冷却パワーシステムを開発して、従来製品の2倍となる800V対応と2.7倍となる94.3kVA/Lの出力密度を実現した。

 同社は5月、アウディ初の量産型EV「e-tron」にEVインバーターを供給すると発表した。このインバーターはモーターの性能を最大化する高出力密度を提供するため特別に設計・開発されており、小型で効率の高い両面冷却パワーシステムの搭載や、次世代IGBT(絶縁ゲート型バイポーラートランジスタ)の内蔵で、出力密度を従来製品より160%高めている。

http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/10/1018.html