Wednesday, December 18, 2019 9:05 AM

エヌビディア、次世代チップのオリンを発表

 エヌビディア(Nvidia)のジェンセン・フアンCEOは18日、同社が中国で主催したGPU(graphics processing unit)技術会議において、最新チップのオリン(Orin)を発表した。

 オリンはゼイヴィア(Xavier)の後継製品。ゼイヴィアは、過去2年間に自動運転車(autonomous vehicle=AV)の自動運転技術開発に多用されてきたチップとして知られる。

 フォーブス誌によると、新型のSoC(system-on-a-chip)であるオリンは、ソフトバンク傘下の英アーム(ARM)のCPU(central processing unit)コアとエヌビディアのGPUコア群、そのほか複数の構成機能を単一の統合集積回路に収めた設計で、170億という膨大な数のトランジスタを内蔵する。

 オリンは、アームの新たなヘラクレス設計を採用する最初のSoCとなる。エヌビディアの次世代GPU技術とアームの新設計を合体させることで、1時間あたり数テラバイトの生データを処理し、データのI/O(input-output)性能を大幅に高速化できる。

 フアンCEOによると、オリンは、毎秒200GB以上のデータを処理できる。テスラが半自動運転機能のオートパイロットに採用した旧型のエヌビディア製チップのデータ処理能力は最大でも毎秒2GBだった。

 オリンSoCの大量生産は2年以内に始まる見通しで、メーカーらによる試験のためのサンプル出荷は2020年中に実行される。

 オリン・プラットフォームは、大量のデータの即時処理を必要とするAVの開発をおもな標的市場とするが、エヌビディアでは、より高度の自律移動機能が求められるようになった産業ロボット類への応用も対象市場と位置づけている。

 昨今、工場内の特定部分に固定された機械腕のようなロボット以外にも、倉庫内を動き回るロボットや、作業員らのそばで単純作業や運搬作業をこなす協業ロボットの技術革新が著しい。AV向けの機械視認技術や検知機能、視認または検知データの即時処理、その処理結果を自律稼働に反映させる演算といった技術は、産業ロボティクスへの応用にまさに適している。

https://www.forbes.com/sites/samabuelsamid/2019/12/17/nvidia-announces-next-generation-orin-chip-for-automated-vehicles/#7c898a8b4f37