Tuesday, March 24, 2020 10:09 AM

再生可能エネ発電、30年には石炭より安く

 再生可能エネルギー発電は、環境に優しいだけでなく、世界の多くの地域で石炭火力発電よりコストが安くなりつつあると、英国系の独立系政策研究団体カーボントラッカー・イニシアティブが最新報告書で指摘した。

 グリーンカー・リポーツによると、現在、石炭火力発電所の60%以上で発電コストが新設された風力および太陽光発電より高くなっている。さらに、2030年までには世界の全市場で、石炭火力発電を続けるより風力または太陽光発電施設を新築した方が安上がりになると見込まれる。

 欧州連合(EU)では、すでに既存の石炭火力発電力の96%で稼働コストが最新の風力・太陽光発電施設より割高になっており、この比率は中国で71%、インドでは51%、米国では47%となっている。

 電力会社も石炭の使用をやめることによるコスト削減の可能性に気づいているようで、米国では19年に記録的なペースで石炭火力発電所が閉鎖され、増強は計画されていない。この動きには石炭より炭素排出量が少ない天然ガスが安くて豊富なことも影響しているが、天然ガスは再生可能エネルギーほどクリーンではない。

 電気自動車(EV)は、電池の生産に使ったエネルギーを考慮しても温室効果ガス(GHG)の排出量が内燃エンジン車の世界平均より約40%少ないが、世界的に石炭火力発電が減れば、充電に必要な電力網がよりクリーンになり、EVの環境への影響を大幅に軽減させる可能性がある。