Thursday, September 29, 2016 10:03 AM

五輪経費3兆円超の可能性 小池知事、代替会場検討

 2020年東京五輪・パラリンピックの開催費用などを検証する東京都の調査チームは29日の「都政改革本部」第2回会議で、大会経費が推計で3兆円を超える可能性を指摘し、コスト削減のため三つの競技会場について建設中止を含め抜本的に見直す案を小池百合子知事に報告した。小池知事は代替地での開催が可能か本格的な検討に入り、1カ月をめどに見直しの方向性を示す。

 大会経費は招致段階で7340億円としていたが、物価高騰などで大幅に膨らむ見通し。大会組織委員会は年内に予算計画を国際オリンピック委員会(IOC)に提出する予定だが、会場見直しとなればスケジュールにも影響しそうだ。小池知事は記者団に「負の遺産を都民に押しつけるわけにはいかない。早急に答えを出したい」と述べた。

 上山信一慶応大教授らの調査チームが見直し対象としたのは、ボートとカヌー・スプリント会場の「海の森水上競技場」、バレーボール会場の「有明アリーナ」と、水泳会場の「五輪水泳センター」。代替地の候補として、ボートとカヌー・スプリントは宮城県登米市の「長沼ボート場」、水泳は江東区の「東京辰巳国際水泳場」、バレーボールは横浜市の「パシフィコ横浜」などの展示場・アリーナを挙げた。(共同)