Friday, May 15, 2020 9:51 AM

業界団体、免責の法整備要求〜コロナ関連の訴訟に備え

 製造業界の主要団体が連邦議会に対し、新型コロナウイルスに関連した訴訟から企業を守るための「限定的かつ合理的なセーフハーバー(一定の基準や要件を満たしている限り、法令違反にはならないとみなされる範囲)」を提供するよう要求している。

 オートモーティブ・ニュースによると、乗用車・小型商用車メーカーのほとんどが加盟する米自動車イノベーション協会(AAI)と米自動車部品工業会(MEMA)、全米製造業協会(NAM)など約290団体は5月上旬、議会に連名で書簡を送り、「公衆の準備と緊急の用意に関する法(Public Readiness and Emergency Preparedness Act)」で保護される範囲を拡大し、公衆衛生上の緊急事態で規制の厳しい医療用品を使用する場合は製造物責任が免除されるよう求めた。

 団体は書簡で、経済と公衆衛生の危機的状況でも運営を続けている企業はパンデミックに関係した訴訟の標的となる可能性があり、回復ができないほどのリスクにさらされていると訴えた。また「限られたガイダンスに従って感染拡大を抑えようと最善を尽くしている企業は、法的に保護されるべきだ」と述べ、「議会は優秀なプレイヤーが手に負えない事象に対して責任を問われることを看過すべきではない」と強調した。

 自動車業界では現在、各メーカーが医療関係者向けの個人用保護具(PPE)やウイルス拡散を遅らせるための医療用品を製造している。ほかの業界でも、通常マスクや人工呼吸器などの製品を生産していない企業が製造に乗り出している。ただしこれらの医療用品には厳しい製造基準があり、不慣れなメーカーは基準に適合していない可能性もある。