Friday, August 21, 2020 10:53 AM

米中対立が東京エレクトロンに恩恵か

 半導体が必要な技術製品をめぐる米中関係の冷え込みが、日本企業に恩恵をもたらすとみられる。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、中国ファーウェイ(Huawei)に対する米国政府の制裁措置は、中国の技術産業が米国に大きく依存していることを浮き彫りにした。米商務省は先日、米国の技術を使ったチップのファーウェイへの輸出を制限した。半導体製造機器市場では米国企業が圧倒的地位を誇ることから、今回の新規則はファーウェイの存続にかかわる可能性がある。

 ファーウェイの事業が立ち行かなくなるならば、中国は今後、半導体産業を自国で形成しなければならない。中国政府は先日、チップ製造事業に税制優遇を導入し、チップ産業に投資する国家の基金も設立した。

 中国企業が生産能力を拡大すれば、半導体製造機器大手の東京エレクトロンがその恩恵を受ける可能性がある。中国のチップ・メーカーやメモリー・チップ・メーカーは、生産を拡大すべく設備投資をすでに増加している。

 バーンスタインは、世界のウェハー製造機器市場が2020年に10%成長し、その成長の70%を中国が占めると予想する。また、ゴールドマン・サックスは、中国の半導体製造機器投資が向こう5年間に年平均31%増になるという予想を示した。

 東京エレクトロンは、フロントエンドのチップ製造工程を強みとし、特にエッチングやコーターでは91%の市場占有率を誇る。同社の6月末締め年度の半導体機器売上高のうち約20%は中国企業で占められた。

 中国企業は今後、米国企業を避けて日本企業やほかの米国以外の企業を選ぶかもしれない。

 ただ、それらの企業も、米国の経済制裁を免れない可能性はある。また、米国が中国企業すべてを対象に米国産の半導体機器の輸出を制限したならば、中国のチップ・メーカーが完全な製造ラインを構築するのはほぼ不可能となる。中国が自国のみで半導体産業を構築できるかどうかは、なおも不透明だ。

https://www.wsj.com/articles/chinas-chip-fab-purchases-will-be-big-in-japan-11597913874?mod=tech_listb_pos3