Friday, October 14, 2016 10:23 AM

対加EU協定に地域が反対 ベルギー南部、締結遅れも

 欧州連合(EU)がカナダと締結を図る自由貿易協定を巡り、ベルギー南部ワロン地域の議会は14日、連邦政府による協定承認に反対する決議を賛成多数で可決した。EUは18日の貿易担当相理事会で加盟国の承認を得た上で、27日にカナダと協定に調印したい考えだが、予定通り実行できない恐れがある。

 EUは2009年からカナダと包括的経済貿易協定(CETA)締結に向け交渉。13年の原則合意を経て、調印目前の段階。半面、農業団体などが強く反対するEUと米国との自由貿易協定の「ひな型」と見なされ、反対運動が広がった。

 北部のオランダ語と南部のフランス語の言語対立からベルギーでは連邦化と分権が進み、EUの貿易協定の締結承認にも地域の同意が必要。連邦政府は協定締結に賛成だが、ワロン地域では連邦政府で野党の社会党などが政権を握っており、意見が一致していない。(共同)