Thursday, December 24, 2020 5:00 PM

IBM、人工知能ワトソンの新機能群を発表

 IBMは12月9日、仮想開催したAIサミット(AI Summit)において人工知能ワトソン(Watson)に各種の新機能を追加したことを明らかにした。

 ベンチャービート誌によると、おもな新機能には、1)自然言語で問われた質問に対する答えを文書のデータベースから探し出し、信頼スコアとあわせて返す機能「リーディング・コンプリヘンション(Reading Comprehension)」、2)質問と回答の文書を自動作成する機能「FAQエクストラクション(FAQ Extraction)」、3)おもな事実情報を抽出する機能「AIファクトシーツ(AI Factsheets)」がある。

 リーディング・コンプリヘンションは、IBMリサーチが開発した質問回答システムにもとづいて構築された。業務用の文書を参照して、問い合わせに対する正確な回答を特定できる。また、毎回の回答に際して信頼スコアを算出する。同機能は現在、検索サービス「ワトソン・ディスカヴァリー(Watson Discovery)」でベータ版として提供されている。

 FAQエクストラクションは、ワトソン・アシスタント(Watson Assistant)の検索モジュールとして提供されるベータ版だ。IBMによると、新しい自然言語処理技術を使って質問と回答を抽出する。業務用文書の更新を受けたFAQ文書の更新を自動化できる。

 AIファクトシーツは、2018年にIBMの研究者らが発表した研究論文で最初に提案された機能で、ワトソン・ステューディオ(Watson Studio)のクラウド・パック・フォー・データ(Cloud Pak for Data)で2021年中に商用化される。

 それらの新サービスに加えて、ワトソン・アシスタントには新しい分類モデルも追加された。比較的少ないデータで短期に学習させて、より正確な結果を出すことができる、とIBMは説明した。

 さらに、ワトソン・ディスカヴァリーは対応言語を拡大した。今回追加されたのは、ボスニア語やクロアチア語、デンマーク語、フィンランド語、ヘブライ語、ヒンドゥー語、セルビア語、スウェーデン語を含む10言語だ。

https://venturebeat.com/2020/12/09/ibm-announces-new-ai-language-explainability-and-automation-services/