Thursday, February 25, 2021 3:23 AM

業務用アプリケーションのクラウド向け最適化を自動化

 パロ・アルト(シリコン・バレー)拠点の新興企業ヴィーファンクションは2月2日、これまでの隠密運営から脱し、法人向けの革新的ソリューションを初めて発表するとともに、1220万ドルのシード資金を調達したことを明らかにした。ベンチャービート誌によると、同社のソリューションは、各社が独自に開発したアプリケーション群をクラウド用に最適化する過程を自動化する。多くの会社が直面している課題を解消する可能性がある。

▽マイクロサービスへと変更する過程を支援

 ヴィーファンクション(Vfunction)のソリューションは、企業が独自に開発した複雑なアプリケーション群をクラウド上での使用に適したマイクロサービスへと変更する過程を支援する。

 いまや多くの大企業がソフトウェア開発会社と化し、それぞれの事業に必要な各種のアプリケーションを独自に開発している。敏捷性にすぐれ、保守の容易なアプリケーションを開発することは、多くの企業が目指す目標だ。しかし、これまで開発されてきた従来型のアプリケーションは、一枚岩のようにつくられ複雑なため、小さな部分に分解するのが難しい。

▽ウーバーやネットフリックスもマイクロサービスに移行

 そういったアプリケーションをクラウドに適したマイクロサービスに変えるという市場動向は、かなり前から顕在化している。

 ウーバーは2015年に、サービス指向アーキテクチャー(service-oriented architecture=SOA)に書き直す巨大プロジェクトに着手した。

 かたやネットフリックスは、独自のデータセンターからパブリック・クラウドに移行し、マイクロサービスのアーキテクチャーを採用したことが、世界的な事業拡大のカギになったと説明した。

▽自動化エンジンで新サービスを構築

 ヴィーファンクションは、顧客会社の旧来型アプリケーションが存在する場所に実装して、ジャヴァ(Java)仮想マシン(JVM)エージェントによってヴィーファンクションのサーバーに情報を送信する。同サーバーにはインターフェイスを介してアクセスでき、マイクロサービスのアーキテクチャーをそこで設計できるようにする。

 「設計後、システムがサービス仕様ファイルを生成し、そのファイルにマイクロサービス作成のための必要な情報がすべて盛り込まれる」「そのファイルを自動化エンジンに送ると、オリジナル・コードがスキャンされ、関連部分が複製されて新サービスがつくられる」と、ヴィーファンクションの共同設立者兼CEOモティ・ラファリン氏は話した。

▽人間と比べて最高15倍速く完了可能

 同氏によると、ヴィーファンクションのプラットフォームは、グラフ理論やクラスタリング・アルゴリズムを使って不要コードや異常コードを特定し、アプリケーションをクリーンに分解できるという。

 同社のプラットフォームは、抽出すべきサービスを推奨するが、最終決定を人間のアーキテクチャー担当者にゆだねる。最終的にはマイクロサービスに分解するためのステップの多くが自動化されるため、一連の過程を人間と比べて最高15倍速く完了できる。

 「既存のアプリケーションと、目標とするアーキテクチャーにもよるが、80〜95%を自動化できる」とラファリン氏は述べた。

https://venturebeat.com/2021/02/02/vfunction-exits-stealth-to-transform-monolithic-enterprise-apps-into-cloud-native-microservices/