Thursday, April 15, 2021 10:08 AM

ポスコ、GMのEV電池合弁に正・負極材を供給

 韓国の化学素材企業ポスコ・ケミカルは、GMとLGエナジー・ソリューションがバッテリーセルの量産を目的に設立した合弁事業アルティアム・セルズに、負極材と正極材の材料を供給する。

 エレクトライブによると、ポスコ・ケミカルは2020年12月、正極材に関する供給契約に署名しており、このほど負極材に関する供給にも合意した。納期や金額などの詳細は不明。

 ポスコは天然黒鉛を使った負極材(合成黒鉛は膨張が少なくより安定しているがより高価)を生産する予定で、正極材と合わせて22年からアルティアム・セルズのEV用電池に使われる見通し。負極材は韓国の世宗(セジョン)工場で、正極材は最近生産能力の拡大を発表した光陽(クァンヤン)工場で生産される。

 ポスコ・ケミカルのエネルギー材料部門を統括するJung Dae-hun氏は「最新の契約は、ポスコグループの継続的な研究開発、製造能力の拡大、材料への投資によって可能になった。EV時代の幕開けとともに、当社は電池材料業界における主導的地位を強化していく」と話している。

 韓国の鉄鋼大手ポスコが61%を所有するポスコ・ケミカルは、30年までに40万トンの正極材と26万トンの負極材を生産し、電池材料市場で20%のシェアを獲得する目標を掲げている。現在、負極材市場では11%のシェアを握り、中国の貝特瑞(BTR)、杉杉(ShanShan) 、江西紫宸(Zichen)に次ぐ世界第4位となっている。

 GMとLG化学(その後電池事業が独立してLGエナジー・ソリューションに)は19年12月にアルティアム・セルズを設立。20年夏からオハイオ州ローズタウンでバッテリー工場の建設を進めている。