Wednesday, May 12, 2021 11:55 AM

感情や文体を分析できる自然言語処理機能を追加

 エキスパート・ドット・エイアイ(Expert.ai)は5月10日、自然言語処理に際して話し手や書き手の感情や文体を分析するための機能を発表した。

 ベンチャービート誌によると、自然言語API(application programming interface)の拡張機能およびツールキットとして提供される同機能によって、人工知能アプリケーションの開発者らは、人間の言語処理に近い分析機能を開発できるようになる。

 イタリアのモデナと米国のメリーランド州ロックヴィルに拠点を置く同社は、エキスパート・システム(Expert System)という社名だったが、2020年に改名した。

 同社のソフトウェア・プラットフォームは、ソーシャル・メディアや電子メールの本文から抽出した非構造化言語データを処理して有益情報に変換する機能を武器とする。たとえば、「ジャガー」という言葉が動物を指すのに使われているのか、車のブランドとして使われているのか、あるいはスポーツ・チーム名として使われているのかを文脈に応じて判断できる。

 同社のおもな顧客には、AP通信(Associated Press)やメディア・モニタリング・サービス会社ラーグス・ドゥ・ラ・プレス(L’Argus de la Presse)、保険会社のチューリッヒ・インシュランス(Zurich Insurance)がある。顧客会社らは、デジタル・コンテントの分類やブランドの評判分析を目的としてエキスパート・ドット・エイアイの自然言語処理プラットフォームを使っている。

 同社は最近、新たな機能拡張を同プラットフォームに追加し、117種類の特徴を言語分析に活用して怒りや不満、喜びといったさまざまの「感情」のほか、社交的や行動的、意識的、倫理的といった「行動」の特徴も判断できるようにした。それらの機能は、それぞれの特徴を「高」「中」「低」の3段階で示す。

 そのほか、ライトプリント(writeprint)と呼ばれる拡張機能では、書き言葉の技法や様式を理解できるようにした。同社によると、「語彙の豊かさ、動詞の種類、時制、言語使用域、文章構造、文法」を分析できる。

 それらの拡張機能は、偽造やなりすましを特定してフィッシングやランサムウェアといった悪質な搾取手口やサイバー攻撃を防止するのに役立つ可能性がある。

https://venturebeat.com/2021/05/10/expert-ai-adds-emotion-and-style-detection-tools-to-natural-language-api/