Tuesday, July 20, 2021 9:54 AM

テスラ、FSD機能の月額提供を開始

 電気自動車(EV)大手のテスラは、「フル・セルフドライビング(FSD=完全自動運転)」と呼ぶ先進運転支援システム(ADAS)ソフトウェアの月額サービスを開始した。一部の顧客を対象に、従来の1万ドルの買い切りではなく月額199ドルで契約できるようになる。

 ロイター通信によると、FSDは高速道路での車線変更や駐車支援などを提供するADASソフトウェア。テスラはこれまで、1万ドルという高額料金の先払いによって経常収益が生まれ、顧客ベースが広がると説明していた。

 しかし今回、テスラは「車はまだ完全自動運転車にはならず、ドライバーはハンドルを握り常に注意を払う必要がある」と強調している。

 ザック・カークホーン最高財務責任者(CFO)は4月に「月額サービスは、短期的にはしばらくキャッシュを減少させるかもしれないが経常収益を生み出し、高価なADAS機能の顧客ベースを拡大する」と説明。「FSDを一括購入していない、または車をリース購入していてFSDを試してみたいと考える顧客の数を考えると、彼らにとって良い選択肢になる」と話している。

 同サービスは「フル・セルフドライビング」コンピューターの3.0以降を搭載した車両で利用でき、新しいハードウェアへのアップグレードには1500ドルかかる。

 テスラのイーロン・マスクCEOは19年、米国の一部市場で20年には人間のドライバー不要なロボタクシーの利用が可能になると予測していたが、同社は21年3月、カリフォルニアの規制当局に「完全自動運転技術は年内には実現しない可能性がある」と報告している。

 テスラは現在、市街地用の新しい半自動運転ソフトウェアを試験中で、最近は一部の顧客に「FSDベータv9」をリリースしている。

https://www.reuters.com/business/autos-transportation/tesla-launches-subscription-service-advanced-driver-assistance-software-2021-07-17/