Friday, August 27, 2021 11:22 AM

TSMC、チップ価格を最大20%引き上げへ

 世界最大のチップ受託製造会社TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Co.)は、チップ価格を最大20%引き上げる計画だ。匿名希望の複数の関係者が明らかにした。そのため、消費者電子製品の価格上昇が確実視される。

 ウォール・ストリート・ジャーナルによると、TSMCは、もっとも先進的なチップの価格を平均10%引き上げ、自動車向けといった一般的なチップの価格を約20%引き上げる、とそれらの関係者は取材に答えた。その影響は、2021年末から2022年にかけて表面化する見通しだ。

 アップル(Apple)は、TSMCが生産するもっとも先進的なプロセッサーをアイフォーンに搭載している。

 TSMCの広報担当は取材に応じなかった。

 TSMCによるチップ値上げ方針は、世界的なチップ不足の解消がいまだ見通せない状況下で打ち出された。アップルを筆頭にスマートフォンやタブレット、ラップトップの主要メーカーのほか、GMやトヨタ自動車をはじめとする自動車メーカーらが減産や出荷遅延、商機喪失による売り上げ鈍化見通しをあいついで発表している。

 チップ業界分析家らによると、TSMCのチップ値上げには二段階のねらいがある。短期的には、値上げすることで需要抑制を誘発させて需給逼迫をやわらげるというねらいがあり、長期的には、値上げによる増収分を将来の投資戦略の原資に回すというものだ。

 チップ不足はラップトップ価格をすでに押し上げている。新型コロナウイルス・パンデミックによる遠隔労働の常態化がラップトップ需要を急激に強めたことと重なったためだ。

https://www.wsj.com/articles/worlds-largest-chip-maker-to-raise-prices-threatening-costlier-electronics-11629978308?mod=tech_lead_pos1