Tuesday, October 19, 2021 11:58 AM

アーム、IoT向けと仮想ハードウェアの新製品を投入

 チップ設計大手のアーム(Arm)は、モノのインターネット(Internet of Things=IoT)や仮想ハードウェア、5Gの関連分野向けのチップ製品群開発を加速するアーム・トータル・ソリューションズ・フォー・IoT(Arm Total Solutions for IoT)とアーム・ヴァーチャル・ハードウェア(Arm Virtual Hardware)という二つのソリューションを投入した。

 ベンチャービート誌によると、前者は、IoTチップ製品の開発を加速させることを目的とし、後者は、ソフトウェアとハードウェアの共同設計を可能にするものだ。製品設計を最大2年間加速できる、とアームは説明している。

 「当社は、システム設計の方法を抜本的に変化させてきた。新しいIoT経済の成長をあと押しして、スマートフォン向けアプリケーション業界の進化の速さに等しい速度や規模に到達させるうえで大きく貢献できる」と、同社のIoT製品担当副社長モハメト・アワド氏は話した。

 アーム・ヴァーチャル・ハードウェアは、CI/CD(continuous integration and continuous deployment/delivery=継続的統合と継続的実装)やデヴオップス(DevOps)、MLオップスといったアジャイル開発をIoTや組み込みプラットフォームの分野にもたらすことができる。同製品は、クラウド基盤のサービスで、物理的なシリコンを必要とせずにソフトウェアを開発できるようにする。また、チップ設計の正確なモデルを使ってメモリーや周辺機器の動作を模擬化することで、ソフトウェアの開発と試験を可能にする。

 アームは、自社製品の生態系構築の取り組みとして、プロジェクト・センタウリ(Project Centauri)を立ち上げており、それによってIoTソフトウェアの大規模の普及にとって欠かせない基準や枠組みの開発を支えていく。

 アームのコルテックスM(Cortex-M)シリーズを土台とする各種の装置は、これまでに700億台以上搭載されてきた。

 調査会社のモルドー・インテリジェンス(Mordor Intelligence)では、IoTのためのチップ市場が2026年まで15%近いCAGR(Compound Annual Growth Rate=年平均成長率)になると予想する。

 アームは、5Gの基幹設備の過半数が同社の設計にもとづくチップで動作するようになるとみている。商業用5G通信網は世界各地の60ヵ国以上で稼働している。同社は、同分野の成長を視野に、アーム5Gソリューションズ・ラブ(Arm 5G Solutions Lab)も投入した。テック・マヒンドラ(Tech Mahindra)と共同開発した同研究室は、ソフトウェアとハードウェアの提供会社らが協力して新技術を実演できる場と位置づけられている。

https://venturebeat.com/2021/10/18/arm-expands-offerings-in-iot-virtual-hardware-and-5g/