Friday, November 05, 2021 11:45 AM

グーグル・クラウド、シカゴ先物取り引き市場をクラウド化へ

 グーグル・クラウド(Google Cloud)は11月4日、CME(Chicago Mercantile Exchange)グループとの巨大契約を発表し、CMEの先物取り引きとオプション取り引き市場を今後10年間でクラウドに移行する計画を明らかにした。

 テッククランチ誌によると、同契約は複雑な内容で、複数のおもな部分および段階で構成され、その一部としてグーグルがCMEに10億ドルを投資する条項も含まれる。グーグル・クラウドは、同契約の総価値について明かしていないが、10年をかけてクラウド移行することやグーグルが10億ドルを投資することを考慮すれば、記録的大規模であることは確実だ。

 グーグル・クラウドの戦略的産業担当副社長フィリップ・モイヤー氏は同契約について、一般的または標準的な内容ではないと話した。

 一般に、グーグル・クラウドが顧客会社の業務資産をクラウド移行する際、同社は顧客がワークロードをクラウドに移すのを手伝うだけだ。しかし、CMEとの契約では、「金融サービス業界が持つもっとも難しい要素や部分、性質も含めてクラウドに移管することにわれわれが長期にわたってきわめて真剣に取り組むことを示すものだ」とモイヤー氏は強調した。

 同氏によると、先物とオプションの取り引き市場を運営するCMEは、セキュリティーと遅延、冗長、そして復旧に関して技術基幹設備に対する要求がもっとも高い会社の一つだ。

 両社によると、同契約はコストを土台として構成されず、いくつもの段階にわたってクラウド移行するその過程をもとに構成されている。両社は第一段階といて、もっとも簡単かつ最小遅延要件のワークロードをクラウド化し、その次にデータ分析ツーリングをクラウドに移行させる。

 「第二段階では、リアルタイムでのデータ収集および分析と、新たな金融商品の開発および取り引き市場群の効率化に照準し、革新的な基幹設備とソリューションの装備に注力する」と同氏は話した。第三段階以降については説明されなかった。

 クラウド化にかかるコストではなく、業務や機能、難易度、複雑さ、技術仕様、技術要件といった種類や性質をもとにいくつもの段階に分類して10年をかけてクラウドに移管させるのが両社の契約内容だ。

https://techcrunch.com/2021/11/04/google-clouds-1b-investment-in-cme-group-part-of-long-term-infrastructure-services-deal/